古くから「7歳」がシニア犬の境目とされる背景には、臨床上の理由が存在する。アメリカ獣医学協会(AVMA)や日本獣医師会の指針においても、7歳前後は身体機能の微細な衰えが表面化し始めるクリティカルな時期として注意喚起されている。
高度化する先端獣医学の知見によれば、7歳を超えたあたりから腎機能低下の兆候、関節軟骨の摩耗、白内障の初期症状、歯周病に伴う全身性の炎症リスクが跳ね上がる。外見上は変わらず元気に散歩へ出かけていても、体内の臓器や骨格では着実に「老化の歯車」が回っているのだ。この見えにくいサインを捉えられるかが、その後の生存曲線を大きく分けることになる。