人気の理由は決して懐古趣味だけではない。裏側では、目立たない形で現代的な工夫が凝らされている。例えば、混雑状況をLINEで確認できるシンプルな仕組みを導入しつつも、店内での決済や注文はあえてママとの会話が発生するアナログなスタイルを貫いている。
「何でもかんでもスマホの画面で完結する時代だからこそ、注文を聞くときの『今日もお疲れ様』という一言が価値を持つ」と恵子ママは微笑む。テクノロジーを効率化のためではなく、人間関係の潤滑油として最小限に活用するバランス感覚が見事だ。
結果として、一見さんお断りの雰囲気が一掃され、初めて訪れる人でもドアを開けやすい開放的な空気感が醸成されている。