夜間取引を立ち回る上で、各証券会社が採用している取引所のインフラ仕様を正確に把握しておくことは必須の防衛策です。国内の株式私設取引システムでは、ジャパンネクスト証券が運営するジャパンネクスト PTS 三菱UFJの取引(J-Market/X-Market)が圧倒的なシェアを握っています。
まず押さえるべきは「呼値の細かさ」です。東証における三菱UFJの通常取引では、株価水準に応じて呼値(注文できる価格の最小単位)が決められていますが、PTS市場では呼値が0.1円刻み(東証が1円・0.5円刻みの場合でも細分化)で設定されている時間帯が存在します。この「0.1円刻みの呼値」は、指値の挟み込みによってミリ単位の利ざやを抜くデイトレーダーには有利に働く反面、板の見え方が東証と大きく異なるため、見た目上の厚みが細かく分散してしまい、実際の注文総数を誤認しやすいという罠が潜んでいます。
さらに、プラットフォームごとの手数料水準も見落とせません。SBI証券 PTS 三菱UFJ取引や、楽天証券 PTS 三菱UFJ 手数料については、近年の「国内株式売買手数料ゼロ革命」により、インターネットコースの約定であれば日中の東証現物取引と同様に手数料無料(ゼロコース/ゼロ革命適用時)で執行できる環境が完備されています。
これにより、個人投資家が夜間に小口注文を出すコスト障壁は実質的に消滅しました。しかし、コストが無料になったからといって約定価格の妥当性が保証されるわけではありません。手数料がゼロになったことで安易なフライング売買に手を出しやすくなり、スプレッド(買値と売値の開き)で手数料以上の隠れた損失を被っている初心者が急増している点には警戒が必要です。