バンドサウンドの枠組みを軽々と飛び越え、総合芸術としての映画音楽へと足を踏み入れたRADWIMPS。新海誠監督とのタッグは、『君の名は。』に始まり『天気の子』、『すずめの戸締まり』へと至る三部作で決定的となった。この一連の劇伴音楽の経験が、バンドの音楽性を拡張しただけでなく、カバーを試みるクリエイターたちの視野をも劇的に広げたことは間違いない。
単なるJ-POPの枠には収まらないストリングスの配置や民族音楽的なスケール感。映画の情景と分かちがたく結びついた劇伴曲は、クラシック奏者やアンビエントプロデューサーによるカバーの格好の題材となった。映像を喚起させるダイナミックなダイナミクスを、各々の楽器一本、あるいは電子音のレイヤーだけで表現し切る試みは、音楽ファンに新たなリスニング体験を提示している。