SNSや知恵袋などのコミュニティを分析すると、「大人になってから2番と3番があることを知って驚いた」「2番の歌詞を初めて見て感動した」といった声が定期的に話題にのぼります。なぜここまで広く普及していながら、2番以降は人々の記憶に残りにくいのでしょうか。
その最大の要因は、NHKの放送枠と学校教育におけるタイムスケジュールにあります。NHKのラジオ体操番組は10分間の枠で構成されており、その中で「ラジオ体操の歌(1番のみ演奏・斉唱)」「首の運動などの準備」「ラジオ体操第一」「ラジオ体操第二」を過不足なく収める必要があります。そのため、放送内で流れるのは常に1番のみとなっています。
自治体の夏休みラジオ体操会や学校の運動会でも、NHKの放送録音や標準フォーマットをそのまま利用するため、2番・3番を実際に歌う機会が物理的に省かれてきました。結果として、「曲自体は1億人が知っているが、歌詞の全体像は限られた愛好家や合唱経験者しか知らない」というユニークな認知ギャップが生まれたのです。