藤子不二雄作品に親しんできた読者の多くが驚く決定的な事実があります。それは、ラーメン大好き小池さん 本名が本来「小池」ではないという点です。作中で定着した呼び名の裏には、連載初期のユニークな誤認劇が隠されています。
小池さんが初登場した1964年連載開始の『オバケのQ太郎』において、彼のキャラクターは「小池さんという表札の家に下宿している鈴木さん」として描かれていました。主人公のQ太郎たちが玄関の表札を見て「小池さん」と呼びかけ、本人が「私は下宿人の鈴木です」と訂正するやり取りが初期の定番ギャグだったのです。
しかし、ストーリーが進むにつれて読者や作中人物の間で「小池さん」の呼称が完全に定着。のちの作品では設定自体が柔軟に改変され、家族として「小池さんの奥さん」や子どもたちが登場するエピソードも描かれるようになりました。小池さん 正体 鈴木さんという初期の楽屋落ちは、藤子不二雄のユーモアと当時の大らかな漫画制作の現場感を象徴するエピソードとして今も語り継がれています。