ゲノム解析技術の飛躍的進歩に伴い、医療現場における染色体検査の位置づけは大きく変化しています。従来の染色体検査(G分染法など)は、細胞を培養して顕微鏡下で形や本数を直接観察する手法が主流でした。
近年急速に普及したのが、妊婦の血液中に微量に含まれる胎児由来のcell-free DNAを解析するNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)です。妊娠初期(妊娠9〜10週以降)から採血のみで第21番、第18番、第13番染色体のトリソミーリスクを高精度に判定できるスクリーニング検査として定着しています。
さらに現在では、微細な染色体の欠失や重複を網羅的に検出できる「マイクロアレイ染色体検査」や「次世代シーケンサー(NGS)」を活用した網羅的ゲノム解析が、希少疾患の原因究明やがんの個別化医療(プレシジョンメディシン)において不可欠なツールとなっています。検査精度の向上とともに、遺伝カウンセリングによる精神的・倫理的サポートの充実がこれまで以上に重視されています。