一方の石原さとみもまた、キャリアの重大な転換期を迎えていた。大手芸能プロダクションである株式会社ホリプロの看板女優として、彼女にかかる期待とプレッシャーは想像を絶するものがあった。特に主演ドラマ『アンナチュラル』での迫真の演技は、彼女を「国民的人気女優」から「実力派のトップ表現者」へとさらなる高みへ引き上げていた。
役作りに一切の妥妥を許さない彼女は、撮影期間中、役柄が抱える孤独や葛藤を私生活にまで引き寄せるほど深く作品に没入する。極限の精神状態で挑む現場を支えてくれるのは、家庭という安らぎの場であり、互いの心を深く通わせる濃密な対話の時間だった。しかし、帰宅してもスマートフォンやPCに向かい続ける相手の姿を目にしたとき、そこに拭い去れない寂しさが生じるのは避けられなかったのかもしれない。