授業のチャイムが鳴ると同時に、生徒たちは使い慣れたスマートフォンやタブレットをカバンにしまう。黒板に書かれた今日のお題は「気候変動に対する私たちの小さなアクション」。使えるのは、自分の頭の中にある語彙と、目の前の仲間の表情を読み取る力だけだ。
「完璧な英語じゃなくていい。沈黙を恐れず、とにかく相手の目を見て言葉を絞り出してほしい」と、教壇に立つ教諭は語る。完璧な翻訳を瞬時に弾き出すAIが普及した現代だからこそ、あえて「不完全な人間同士の対話」に価値を置く。この逆張りのアプローチが、生徒たちの眠っていた表現力を呼び覚ましている。