近年の生食規制を背景に、生に近い食感を再現した「低温調理レバー」を提供する飲食店や家庭内レシピが急増している。しかし、ここに極めて危険な落とし穴が存在する。厚生労働省が定める加熱基準(中心温度63度で30分間以上、または75度で1分間以上の同等加熱)を厳密に順守せず、「トロッとした生の食感」を残すために55度前後の不完全な温度で加熱を止めてしまう調理が散見されるためだ。
中心温度計を使用せず、湯煎時間だけで勘に頼る低温調理は、菌を死滅させるどころか、細菌が最も増殖しやすい危険温度帯(30度〜45度)を長時間維持してしまうリスクすらある。見た目が白っぽくなっていても、組織内部の菌が生き残っていれば、それは単なる「温められた生レバー」に過ぎず、食中毒の発生確率は生食と何ら変わらない。