全12巻からなる本作の骨格を成すのは、第2代会長・戸田城聖の焦土からの立ち上がりと、若き池田大作との出会い、そして創価学会が民衆の中に根を張っていく劇的なドラマだ。敗戦直後の虚無感に包まれた日本で、一人の人間が自身の命を根本から変革する「人間革命」の哲学がいかにして提示されたのかが精緻に描かれる。
一人の人間における偉大な人格の変革は、やがて一国の宿命をも転換し、全人類の運命をも変える——このテーマは、単なる特定の団体史を越えて、多くの読者の胸を打つ。単なる宗教言論にとどまらない骨太な歴史小説としてのクオリティが、長い年月を経ても色あせない理由だろう。