古典の知恵は万能薬ではなく、個人の気質や置かれた環境によって、劇薬にもなれば毒にもなります。「人間万事塞翁が馬」を人生の指針として掲げるにあたり、本当に自身のメンタリティに合致しているかどうかを客観的に見極める基準を提示します。
この成語を座右の銘に選ぶべき人
- 変化が激しく不確実性の高い領域で挑戦している人:新規事業立ち上げ、スタートアップ経営、投資家など、外部要因によって毎日のように成功とピンチが入れ替わる環境にいる人にとって、感情の波を一定に保つための最強の精神安定剤となります。
- 完璧主義に陥り、1つの失敗で自己嫌悪に苛まれやすい人:「この失敗も、長い目で見れば必要なプロセスの1つに過ぎない」と捉え直すことで、過度なメンタルダウンを防ぎ、前進を継続できるようになります。
- 長期的な複利で成果を出そうとする研究者・職人:短期間の評価に惑わされず、10年・20年というスケールで本質的な価値を追求する人物にふさわしい哲学です。
座右の銘にするのを慎重に検討すべき人
- 無意識に「他責思考」や「運命論」に逃げてしまいがちな人:「どうせ運命なんて分からないから努力しても無駄だ」というニヒリズム(虚無主義)にすり替わってしまう危険があります。
- 問題解決の現場で原因究明を徹底すべき職種の人:品質管理や安全管理、コンプライアンス遵守など、再現性と因果関係の徹底追究が求められる領域において「塞翁が馬だから仕方がない」という態度は、組織の致命傷を招きます。