この名物シーンの根底にあるのは、漫画家・尼子騒兵衛による原作『落第忍者乱太郎』への深いリスペクトだ。忍者にとって変装は生き残るための必須技術であり、敵の目を欺く重要な戦略にほかならない。
象徴的なのが、忍術学園のベテラン教師・山田伝蔵が見せる「伝子さん」姿だろう。あふれ出る威圧感と強烈なインパクトは、原作初期から読者を魅了し続けてきた。一方で、容姿端麗な六年生の立花仙蔵が見せる女装は、対極的な美しさとクールな冷徹さを兼ね備える。火薬のプロフェッショナルとしての鋭い眼光を秘めつつ、しなやかに潜入をこなす姿は、まさに忍びのリアリティとフィクションの爽快感が融合した瞬間だ。