英語圏のビジネスミーティングや契約交渉において、最も聞き逃してはならないのが「懸念」「留保(保留)」という意味でのreservationです。提案に対して相手が「reservation」を口にした場合、決してホテルの予約の話をしているわけではありません。
なぜ「予約」と同じ単語が「懸念」になるのでしょうか。その理由は、前述のコアイメージにあります。相手の意見に対して「100%の賛同を差し出さず、自分の気持ちや判断の一部を手元に取っておく(留保する)」という心理状態から、「疑念」「ためらい」「気がかり」という意味へと派生しました。
ビジネスシーンで極めて頻繁に登場する代表的パターンが「have reservations(懸念・疑念を抱いている)」です。通常、この意味で使われる場合は複数形の「reservations」になる点が特徴です。
・We have some reservations about the feasibility of this project.
(私たちはこのプロジェクトの実現可能性について、いくつかの懸念を抱いています)
反対に、留保するものが何もない状態を表す「without reservation」は、「無条件に」「心から」「率直に」という意味になります。
・I can recommend her for this position without reservation.
(彼女をこの役職に、一切の懸念なく心から推薦いたします)
契約書や公式文書で「reservation of rights」とあれば「権利の留保」を指すなど、ビジネスや法務の現場では「予約」以上の重みを持つ単語として機能しています。