公園の深い緑に足を踏み入れると、レンガ造りの強固な遺構があらわれる。明治時代、首都防衛の要塞として築かれた「観音崎砲台」の跡地だ。苔むした赤レンガのアーチや薄暗い弾薬庫は、静まり返った森の中で独特の重厚感を放つ。これらの遺構群は近代化産業遺産に認定されており、日本の防衛史を雄弁に物語る。
2026年現在、史跡の適切な保存と観光活用を両立させるため、東京湾要塞砲台整備プロジェクトが進められている。一部で制限されていた地下隧道や弾薬庫の内部公開範囲が広がり、見学ツアーの実施件数も大幅に増加した。現地での案内体制強化に向けては、神奈川県庁と横須賀市役所がタッグを組み、デジタルガイドの導入や遊歩道のバリアフリー化を加速させている。