統計上、ほぼすべての国や地域で女性は男性よりも寿命が長いことが確認されています。日本でも男女間で約6歳もの寿命差が存在しますが、なぜこれほどまでに女性は生命力が強いのでしょうか。その根底には、明確な生物学的・社会的なメカニズムが存在します。
最大の要因として挙げられるのが、女性ホルモンであるエストロゲンの寿命への影響です。エストロゲンには善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らす作用や、血管の柔軟性を保ち動脈硬化を防ぐ強力な保護作用があります。閉経前までの女性が心筋梗塞や脳卒中などの血管系疾患にかかりにくいのは、このホルモンの恩恵によるものです。
さらに、生物学的な構造の違いも見逃せません。女性の性染色体は「XX」、男性は「XY」です。X染色体には免疫や細胞修復に関わる重要な遺伝子が多く含まれており、2本のX染色体を持つ女性は、遺伝子変異や損傷に対するバックアップ機能が男性よりも格段に強固です。
これらに加え、喫煙率や多量飲酒率の低さといった生活習慣の違い、体調不良時に早期に医療機関を受診する傾向、感情を言語化して他者と共有するコミュニケーション能力の高さによるストレス解消など、後天的なライフスタイルも女性の長寿を力強く後押ししています。