3つの景勝地は、それぞれ全く異なる地形的特徴と魅力を持っています。現地を訪れる際に押さえておくべき主要な見どころと、最も美しい景観に出会える時期を解説します。
1. 松島(宮城県)|260余りの島々が浮かぶ多島美の極致
松島湾内外に点在する260余りの島々と、海面に映える緑の松が織りなす景観が最大の特徴です。松尾芭蕉が『おくのほそ道』でその美しさに息をのんだことでも知られます。伊達政宗が再建した国宝・瑞巌寺や、朱塗りの橋が印象的な五大堂、福浦島など、歴史的建造物と海の対比が見事です。四大観(しだいかん)と呼ばれる4つの展望地(大高森・富山・多聞山・扇谷)からは、それぞれ異なる角度から多島美を一望できます。
ベストシーズンは、空気が澄み渡り松の緑と海の青が鮮やかに対比する秋から冬(10月〜2月)です。冬期には名物の松島湾の牡蠣が旬を迎え、食の魅力も最高潮に達します。
2. 天橋立(京都府)|天に架かる橋のような神秘の砂嘴
宮津湾と内海の阿蘇海を隔てる、全長約3.6kmに及ぶ細長い砂嘴(砂浜)です。砂浜には約8,000本もの黒松が生い茂り、何千年もの歳月をかけた潮流と土砂の堆積によって奇跡的に形成されました。北側の「傘松公園」や南側の「天橋立ビューランド」から、背を向けて股の間から逆さまに景色を覗く「股のぞき」を行うと、海と空が反転し、海の上に架かる龍のように見える「昇龍観」「飛龍観」として知られます。
ベストシーズンは、松並木の散策やサイクリングが心地よく、快晴率が高い春(4月〜5月)および秋(9月〜11月)です。また、冬の早朝に松の木に雪が降り積もる「幻雪の天橋立」も一握りの旅人だけが出会える絶景として高い人気を誇ります。
3. 宮島・厳島神社(広島県)|海上に浮かぶ大鳥居と神仏習合の聖地
瀬戸内海に浮かぶ厳島は、古くから島全体が御神体として崇められてきました。海上に張り出すように建てられた厳島神社は、12世紀に平清盛が現在の規模に造営したもので、平安時代の寝殿造りの粋を極めた建築美を誇ります。1996年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。潮の干満によって表情を劇的に変える点が最大の特徴で、満潮時には社殿や大鳥居が海に浮かんでいるかのような優美な姿を見せ、干潮時には大鳥居の足元まで歩いて渡ることができます。
ベストシーズンは、島内の紅葉谷公園が一面深紅に染まる秋(10月下旬〜11月下旬)および、新緑が美しい初夏(5月〜6月)です。