現在、日本のユース世代の野球を取り巻く環境は劇的に変化している。かつてのスパルタ指導や精神論は淘汰されつつあるが、一方で「主体性の欠如」や「指示待ちの選手」が増えているという懸念も現場からは聞こえてくる。
栗山はかねてより、子どもたちが伸び伸びとプレーできる環境作りの重要性を訴えてきた。しかし、ただ自由を与えるだけでは、世界で通用するタフさは育たない。そこで必要となるのが、イチローが体現してきた「圧倒的な個の確立」である。
「楽しむこと」と「厳しさを持って自分を律すること」。この一見矛盾する二つの要素を、現代の若者たちにどうインストールしていくか。二人が発する言葉の一つひとつが、迷える指導者たちにとってのバイブルとなっている。