SNSの拡散によって広く知れ渡ったのが、「ポテトを揚げたてで注文する裏技」である。レジカウンターで「揚げたてをお願いできますか」と指定したり、減塩志向の客向けの「塩抜きポテト」を注文した後に別添えの塩を要求するテクニックが語られることが多い。だが、これには現場視点での盲点と消費者の大きな勘違いが存在する。
まず、ポテト揚げたての注文方法と評判を巡る実態として、揚げたて直後のポテトは内部の蒸気が抜けきっておらず、実は最も旨味が引き出された状態とは限らない。マクドナルドのポテトは、バッファロー(油切り器)で余分な油を切り、塩を万遍なく馴染ませてから約1〜2分経過したタイミングが、衣のサクサク感とポテト本来の甘み、塩味が調和する「ベストな食べ頃」として設計されている。
また、混雑するピーク時間帯に無理な揚げたて指定や塩抜き指定を行うと、厨房内の専用バスケットの運用ラインが乱れ、フライヤーの温度低下を招く場合がある。油温が下がった状態で揚げられたポテトは、かえって油を余計に吸ってしまい、重たい食感になりかねない。本当に美味しいポテトを味わいたいのであれば、客が絶え間なく並んでいる高回転の時間帯に通常通り注文することこそが、最も理にかなった選択肢なのである。