現地を訪れた参拝者や山岳経験者の記録を検証すると、写真や動画では伝わりきらない「現場特有のプレッシャー」が浮き彫りになります。
特に多くの登拝者が証言するのが「下りの恐怖感」です。登りは岩やロープを視界に捉えながら前進できますが、下りでは垂直に近い斜面と眼下の景色が直接目に入ります。最初の139段の石段は、下りでは足の置き場が見えにくく、膝の笑った状態でロープを握りしめながら後ろ向きに一段ずつ降りる人が大半です。
また、せたな町周辺は日本海からの湿った風が吹き込みやすく、岩肌や木の根が濡れて極めて滑りやすいコンディションになりがちです。過去には転落による重傷事故や救助要請も実際に発生しており、レスキュー隊の出動にも長時間を要する地理的孤立性もリスクを高めています。