女優としての地位を確立していた彼女が挑んだグラビアやアートワークにおいて、とりわけ大きな話題を呼んだのが出版大手・小学館から刊行された珠玉の写真集だ。撮影を手掛けたのは、昭和から平成の日本写真界を牽引した写真家・篠山紀信である。
篠山氏の卓越したライティングと緻密な構図の中で、古手川祐子は単なる被写体を超えた神々しいまでの肉体美と感情の揺らぎを表現してみせた。影と光が錯綜する静寂なスタジオ、そして自然の風がそよぐロケーションで魅せた素肌は、洗練された芸術品として当時の日本映画界や出版界に強い感銘を与えたのである。