根室市を語る上で避けて通れないのが水産業の動向です。全国屈指の水揚げを誇ってきた花咲港を中心に、長年「魚の街」として繁栄を支えてきた現場はいま、歴史的な転換期に立っています。
特に注視されているのが根室市サンマ漁獲量の動向です。地球規模の海洋環境変化に伴い、過去数年間にわたり記録的な不漁が報じられてきましたが、近年は漁場の探索技術向上や遠洋での効率的な操業体制の構築によって、安定的な流通を目指す取り組みが結実しつつあります。単に量だけを追うのではなく、鮮度保持技術(高鮮度チルド輸送)を徹底することで、1尾あたりの取引単価を高める戦略が定着しました。
一方、夏の根室を象徴する甲殻類花咲ガニは、限られた海域でのみ漁獲される希少価値から、今なお全国の美食家を惹きつけてやみません。茹で上げると鮮やかな朱色に染まり、濃厚なコクと強い甘みを持つその身は、地元市場や鮮魚店でも極上品として扱われます。資源保護のための厳格な漁期・漁獲枠管理が徹底されており、プレミアムブランドとしての地位は2026年現在も揺るぎません。