日本最古の健康体操自彊術が誕生したのは、大正5年(1916年)のことです。天才的な手技治療師として知られた中井房五郎創始者が、自らの治療現場で得た膨大な臨床経験をもとに考案しました。その後、実業家の十文字大五郎がその 탁抜した効果に感銘を受けて普及に私財を投じ、医学博士の久保猪之吉らによって医学的・解剖学的な検証が重ねられたという、極めて学術的かつ実践的な背景を持っています。
昭和初期から国民的健康法として親しまれてきたこの体操が、令和の現在になって再び強い関心を集めている背景には、デジタル疲労や運動不足による「不定愁訴の深刻化」があります。流行のフィットネスのように激しい負荷をかけることなく、畳一枚のスペースと自分の体重だけで全身をくまなくメンテナンスできる合理性が、忙しい現役世代や自立した健康寿命を延ばしたいシニア層のニーズに合致しているためです。
現在、その正統な技術と理念の継承を担っているのが公益社団法人自彊術普及会です。全国47都道府県で教室や指導者育成を展開しており、単なる運動習慣にとどまらない「一生モノのセルフ整体技術」としての信頼を確立しています。