世界各国の地図を観察すると、その土地ならではの気候風土やライフスタイルを色濃く反映したユニークな地図記号が数多く存在します。単なる情報伝達を超え、その国の文化が透けて見える点は地図鑑賞の大きな醍醐味です。
例えば、広大な大自然と砂漠地帯を抱えるオーストラリアのアウトバック用マップには、「カンガルーやエミューの衝突注意」「カンガルー給水所」といった野生動物専用のアイコンが詳細に記されています。オーストラリアの長距離ドライブにおいて、野生動物との接触事故は生命に関わる重大事案だからこその実用的な記号です。
また、北欧スウェーデンやフィンランドのトレッキングマップには、森の中に点在する「サウナ小屋」や「無料の薪ステーション」を示す専用記号が当たり前のように掲載されています。極寒の地で暖を取り、心身を整えるサウナ文化が国土のインフラとして地図に組み込まれている好例です。さらにドイツやフランスの観光地図では、ワインの産地やワイナリー直売所を示す「ワイングラスとブドウ」のアイコンが驚くほど細かく分類されており、国民の食への強いこだわりを物語っています。