業界ごとに視点を移すと、勤続年数の乖離は一目瞭然となる。歴史ある大手「製造業」では、平均勤続年数が15年から20年近くに達する企業がザラに存在する。重厚長大なインフラを支える技術継承や、手厚い福利厚生、年功序列の残影が盤石な定着率を支えている構造だ。
対照的に、目覚ましい成長を続ける「情報通信業」やITスタートアップ界隈では、平均勤続年数が3〜5年程度にとどまるケースが珍しくない。これは決してブラック労働ゆえの離職ではなく、市場価値を高めたエンジニアやプロダクトマネージャーが、積極的なステップアップ転職を繰り返すダイナミックな市場構造を反映したものだ。業界の成熟度と働き手のマインドセットが、数字にそのまま投映されている。