日本大学歯学部付属歯科病院において、外来患者の紹介理由として圧倒的な割合を占めるのが「親知らず(埋伏智歯)の抜歯」と「口腔外科領域の難手術」です。
下顎の親知らずが完全に骨の中に埋まっている水平埋伏歯や、歯根の先端が下歯槽神経(顔面の感覚を司る神経)に接触している症例では、神経麻痺の後遺症リスクを伴います。同院の口腔外科では、全症例に対して高精度な3次元歯科用CTによる術前画像解析を徹底し、神経と歯根の距離をミクロン単位で把握した上で手術プロトコルを決定します。
恐怖心が極めて強い患者や、上下左右4本の親知らずを一括で抜歯したい患者に対しては、静脈内鎮静法(セデーション)や全身麻酔管理下での短期入院抜歯プランが用意されています。麻酔科専門医による厳密な生体モニター管理のもと、眠っているような状態で手術が完了するため、患者の身体的・精神的ストレスは劇的に軽減されます。
気になる「担当医・名医の噂」について現場の実態を解説すると、大学病院の構造上、外来初診時の検査やルーティンワークは助教やレジデントが担当するケースが一般的です。しかし、診断の確定や手術の執刀、最終チェックには、日本口腔外科学会や日本矯正歯科学会などの専門医・指導医・教授・准教授クラスが必ず介在するバックアップ体制が敷かれています。「若手医師に任せきりにされるのではないか」という不安は、同院のシステマチックな医療安全管理基準によって完全に払拭されています。