ネット掲示板やSNS上では、本事件に関して事実と異なる誤解や極端な言説が散見されます。取材を通じて判明している確かな情報をもとに、主要な誤解を検証します。
誤解1:「逮捕された1名が勝手に持ち込んだだけの単独犯行だった」
事件初期には「部員個人の勝手な逸脱」とする見方もありましたが、その後の警視庁の家宅捜索によって、複数の部員が関与・吸引していた実態が裏付けられました。処分を受けた学年は上級生から下級生に及び、薬物が寮内で日常の延長線上に置かれていた実態が判決でも認定されています。
誤解2:「林真理子理事長ひとりの独断で情報が隠蔽された」
ワイドショーなどでは林理事長への個人攻撃が過熱しましたが、調査委員会の報告書によると、問題の本質は日大に長年巣食っていた「前体制からの権力構造の歪み」と、法学部・危機管理部門の硬直化した組織風土にありました。検察出身幹部による誤った法解釈と保身が初動の通報遅れを生んだ主因であり、組織全体の構造的腐敗であったことが分かっています。
誤解3:「改正少年法により全員が匿名で保護されている」
成人年齢が18歳に引き下げられた現行法下規程において、20歳以上の部員は当然に成人の刑事手続が適用され、起訴後は実名での公判・報道の対象となりました。将来ある若者であっても、重大な違法薬物事件においては社会的制裁と司法の責任から逃れることはできません。