近年の世界的な食糧コストの上昇やエネルギー価格の高騰、そして主力食材であるスルメイカの歴史的な不漁は、一由そばの経営にも大きな試練を与えました。店舗の歴史を振り返ると、かつてジャンボゲソ天が100円台前半〜中盤で提供されていた時代から、度重なる原材料費の高騰を受け、段階的な価格改定(値上げ)を余儀なくされてきた経緯があります。しかし、公式の告知板やSNSを通じて常に誠実な説明を重ね、値上げ幅を最小限に抑えつつボリュームと味の品質を死守してきた姿勢は、ファンからの厚い信頼を集めています。2026年時点においても、ワンコイン前後から満腹になれるコストパフォーマンスは驚異的です。
また、ファンの間でしばしば熱い議論が交わされるのが、駒込の名店「一〇そば(いちまるそば)」との関係性と違いです。一〇そばは、一由そばの創業店主の実弟が独立して立ち上げた店舗であり、血脈を同じくする兄弟店にあたります。しかし、双方は年月を経てそれぞれ独自の進化を遂げています。
一由そばが「漆黒の荒々しさと24時間体制のエネルギー」を体現しているのに対し、一〇そばは「素材の旨味を繊細に引き出したつゆと独自の天ぷらラインナップ」に定評があります。この両者の個性の違いを巡り歩くことも、現代の東京立ち食いそば探訪における大きな醍醐味となっています。