阪原さんは服役中も無罪を訴え、第1次再審請求を行っていましたが、再審の扉が開かないまま2011年3月に75歳で獄死しました。無念を晴らすべく立ち上がったのが、長男の阪原弘次さんをはじめとする遺族たちです。2012年、遺族によって戦後極めて異例となる「死後再審請求」が申し立てられました。
遺族と弁護団の粘り強い闘いは司法を動かします。2018年7月、大津地方裁判所は自白の任意性と信用性に重大な疑いがあるとして再審開始を決定しました。検察側はこれを不服として即時抗告したものの、2026年2月、大阪高等裁判所も検察側の抗告を棄却し、大津地裁の判断を全面的に支持したのです。
大阪高裁は決定の中で、警察による過酷な取り調べや現場写真の不自然さを厳しく指摘し、「確定判決の有罪認定には合理的な疑いが生じた」と断じました。