議員宿舎はすべての国会議員が無条件に利用できるわけではありません。税金によって維持されている施設である以上、明確な入居資格と利用ルールが定められています。
基本方針として、「東京近郊(概ね通勤圏内)に自己所有の住宅や本宅を持たない地方選出議員」が最優先されます。東京都内や神奈川、埼玉、千葉の一部に本宅がある議員の入居は原則として認められないか、空室がある場合の特例扱いに制限されます。
家族同居の条件についても規定が存在します。配偶者や一親等の扶養親族(子どもなど)の同居は認められていますが、私設秘書や第三者を常住させること、転貸(又貸し)や事務所専用としての使用は厳しく禁止されています。過去には規則違反の利用が週刊誌等で報じられ、退去勧告に至った事例も存在します。
宿舎の運用や建て替えを巡る歴史において象徴的なのが、旧青山議員宿舎の建て替え凍結と経緯です。港区南青山という超一等地に位置していた旧青山宿舎は、老朽化に伴い巨額の公費を投じた高層建て替え計画が持ち上がりました。しかし、国民感情や費用対効果への猛烈な反発を受け、計画は凍結・見直しを余儀なくされ、最終的に廃止・売却へと舵が切られた経緯があります。この出来事以降、宿舎の統廃合と運用の適正化が強く叫ばれるようになりました。