学校現場における式典のあり方も時代とともに変化している。文部科学省が示す式典や学校行事に関する指針では、厳粛で誠実な雰囲気の維持が求められつつも、過度に形式に囚われすぎない柔軟性も一部で見られるようになった。しかし、教職員や来賓が身につける装いは、今なお厳格な基準が維持されている。
令和8年度全国卒業式の現場を取訪すると、参加者の装いに微妙な地殻変動が起きていることがわかる。多様性を尊重する社会風潮を反映し、従来の真っ白一色から、環境に配慮したオーガニックコットンの生成り色や、ごく淡いアイスブルーを取り入れる参加者が少しずつ増加しているのだ。
とはいえ、流行の先端を行くスタイルと、伝統的な式典マナーの境界線は依然として明確だ。トレンドを取り入れる場合でも、主役である子どもたちや卒業生を引き立てるという「裏方としての配慮」を忘れてはならない。派手さではなく上質な生地感や仕立ての良さで個性を表現するのが、現代の式典トレンドの主流となっている。