南海トラフ確率80%は嘘?水増し疑惑の真相と専門家が割れる理由

南海トラフ確率80%は嘘?水増し疑惑の真相と専門家が割れる理由

南海トラフ確率80%は嘘?水増し疑惑の真相と専門家が割れる理由の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

日本全国の地震予測の中で、なぜ南海トラフだけが時間予測モデルという「特別ルール」を許されているのか。その背景には、学術的な信念だけでなく、生々しい政治的・行政的な力学が存在します。これが週刊誌や学会周辺で囁かれ続ける南海トラフ予算獲得疑惑の経緯です。

かつて地震予知連絡会などを中心に「東海地震は予知できる」という前提で大規模な予算が投じられていた時代がありました。しかし、2011年の東日本大震災によって従来の予知思想は完全な見直しを迫られます。その後、地震調査委員会が2013年に南海トラフの確率を再計算した際、標準的なポアソンモデルを使う案も当然検討されました。しかし、もし全国基準を適用して「確率20%」と発表してしまえばどうなるか。当時、関係者の間では「防災対策の予算が削られる」「国民の危機感が薄れて堤防の嵩上げやインフラ耐震化がストップする」という強い懸念が渦巻いたと報じられています。

さらに、時間予測モデルの基礎となっている「室津港の地盤隆起データ」そのものに対しても、古文書の解釈や地盤沈降の観測誤差が指摘されており、南海トラフ周期説の信憑性は一枚岩ではありません。科学的純粋性を重んじる研究者は「客観的でない数値を公式に掲げるべきではない」と主張し、防災行政を背負う実務側は「対策の遅れは人命に直結する」と譲らない。この両者のせめぎ合いの結果、報告書の脚注にひっそりとポアソン過程の数値を併記しつつ、表向きの見出しには「70〜80%」を据え置くという、極めて官僚的な妥協策が選択された歴史があります。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。