組織の拡大を支えたのは、暗号化メッセージアプリ「Telegram」を通じた匿名性の高い連絡網と、SNS上で拡散された「闇バイト」の募集だった。特殊詐欺グループとしての出自を持つ彼らは、詐取金の受け子や出し子を集める手口をそのまま強盗の実行役調達へとスライドさせた。短期間で高収入が得られるという甘い言葉の裏には、個人情報を盾に取った脅迫システムが張り巡らされていた。
身分証の画像や実家の住所を一度握られた実行役は、もはや組織の駒として動く以外の選択肢を奪われる。指示役は自らの手を一切汚すことなく、画面の向こうから遠隔操作で凶行を命じる。使い捨てにされた若者たちが現場で逮捕される一方で、指示役らは新たな人員を即座に補充し、次なる犯行を重ねていた。この冷酷なサイクルこそが、被害を全国規模へと拡大させた最大の要因だった。