若本規夫のキャリアを語る上で欠かせないのが、声優界でも類を見ない「武闘派」のバックボーンです。山口県下関市で生まれ、大阪府堺市で育った彼は、早稲田大学法学部へ進学。大学時代には少林寺拳法や空手、合気道などの武道に打ち込みました。
大学卒業後に選んだ進路は、なんと警視庁機動隊への入隊でした。新宿騒乱をはじめとする激動の時代、最前線で盾を構え、身体を張って治安維持の任務に就いていたというハードボイルドな過去を持ちます。しかし、治安出動の現場を経験する中で自身の生き方を再考し、機動隊を退職。その後、日本消費者連盟の事務局員として勤務するなど、社会の表裏を見てきました。
声優への転身は27歳の時。新聞で見かけた黒沢良主宰のアテレコ教室の生徒募集広告がきっかけでした。「何か自分を根底から表現できる道はないか」と門を叩き、持ち前の体幹と響く声を武器にオーディションを突破。遅咲きながらプロの声優としてのキャリアをスタートさせました。