ネット検索で「リュウソウジャー」と入力するとサジェストに浮上する「打ち切り」という不穏な単語。この噂の発端を検証すると、全48話という放送話数と、前後の作品との比較から生じた視聴者の誤解に突き当たります。
歴代のスーパー戦隊シリーズはおよそ50話前後で完結するのが通例です。前作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が全51話、前々作『宇宙戦隊キュウレンジャー』が全48話でした。しかしリュウソウジャーの場合、放送開始直前の2019年2月から4週にわたり特別番組『4週連続スペシャル スーパー戦隊最強バトル!!』が編成されたため、第1話のオンエアが2019年3月17日へと繰り下がりました。東映の公式発表および番組編成データに照らせば、翌年3月の次作『魔進戦隊キラメイジャー』へのバトンタッチ時期はあらかじめ確定しており、初めから全48話として緻密にスケジュールが組まれていたことが明白です。数字上の短縮を「視聴率や売上不振による途中打ち切り」と結びつけた短絡的な臆測が、ネット上で独り歩きしてしまったにすぎません。
一方で、リュウソウジャーの評価・評判がファンの間で激しく二極化したのは事実です。その主な要因は、メインライターの山岡潤平氏らが挑んだ「従来のスーパー戦隊の作法にとらわれないドラマ構造」にありました。
古代人類リュウソウ族の末裔という設定上、主人公たちはすでに人間離れした戦闘能力と数百年単位の寿命を持っており、「未熟な若者が戦いを通じて成長する」という王道のカタルシスを描きにくかった点が指摘されます。さらに、敵組織ドルイドンに対する倫理観の揺らぎや、怪人(マイナソー)の宿主となった一般市民への対応方針を巡るシビアな葛藤など、従来の勧善懲悪に慣れた層からは「展開が重苦しい」「戦隊ヒーローとしての爽快感に欠ける」という声が上がりました。しかしそのハードな作風こそが、後述するナダの悲劇や、命の重みと向き合う独自のエモーショナルな魅力を生み出す原動力となったのです。