2ちゃんねるから5ちゃんねるへと看板が掛け替えられ、世の中の言論が実名制やアカウントベースのSNSへ移行した現在、狼板が内包していた「完全な匿名性」が持つ功罪が改めて浮き彫りになっている。
誰が発言したかではなく、発言そのものの切れ味や面白さだけが評価される完全実力主義のテキスト空間。そこには同調圧力に縛られない痛快さがあった一方で、無責任な誹謗中傷やデマの温床となる危険性が常に隣り合わせだった。アルゴリズムによるエコーチェンバーが問題視される今、偶発的な衝突と雑多な意見が強制的に交錯したかつての匿名掲示板は、良くも悪くもインターネットの原風景としての凄みを放ち続けている。