ヴィレヴァンといえば黄色い画用紙に黒と赤の手書き文字で書かれたPOPが代名詞ですが、下北沢店の名物POPは熱量と批評性の深さにおいて一線を画しています。売れ筋ランキングを追うのではなく、「自分が本当に面白いと信じるものを届ける」というスタッフ個人の強烈な偏愛が、1枚のPOPに凝縮されています。
かつて無名だったインディーズバンドのCDが、下北沢店のスタッフによる情熱的なPOPと特設コーナーの展開をきっかけに全国区のヒットへと火がついた事例は枚挙にいとまがありません。文庫本1冊、ZINE1冊に対しても、作品の核を射抜くキャッチコピーが添えられており、店内を歩くだけで濃密な書評やディスクレビューを読んでいるかのような体験を味わえます。ネットのアルゴリズムでは出会えない「偶然の衝撃」を提供する仕掛けが、この手書きPOPに詰まっています。