診察室を訪れる患者から頻繁に聞かれるのが、「仕事を休んでストレスを減らせば自然に治るのではないか」という期待です。しかし、三叉神経痛自然治癒しない決定的な理由は、物理的な構造変化にあります。
一度蛇行して神経に癒着した動脈が、生活習慣の改善や休息だけで元の位置へ退縮することはありません。むしろ加齢とともに動脈硬化が進むと、血管は弾力性を失って太く硬くなり、神経への圧迫度は年々強まります。一時的に痛みが消える「寛解期」が存在するため治ったと錯覚しがちですが、数カ月から数年後にはより強力な発作となって再燃するケースがほとんどです。
ネット上の患者コミュニティや知恵袋、医療相談掲示板には、リアルな苦悶と後悔の声が蓄積されています。
「最初は奥歯の激痛だと思い込み、歯科医院を3軒回って健康な歯を2本も抜いてしまった。それでも痛みが止まらず、脳神経外科でMRIを撮って初めて三叉神経痛と判明した」
「疲れのせいにして我慢していたら、ある日水を飲むことすらできなくなり、脱水症状で救急搬送された。痛みを恐れて食事が喉を通らない恐怖は体験した者しかわからない」
こうした証言が示す通り、痛みの我慢は神経の過敏化を促進させるだけであり、解決には直結しません。