人間の強烈な欲望は、古くからスクリーンの上で象徴的に描かれてきた。たとえば1990年代のサスペンス映画の金字塔『セブン』は、食欲(暴食)や性欲(色欲)といった人間の根源的な欲求が暴走した末の陰惨な悲劇を描き出し、観客に強烈なトラウマと問いを突きつけた。欲望のバランスが崩れたとき、人間はいかに脆く崩壊するかを示す格好の作品と言える。
一方で、ディズニー&ピクサーの映画『インサイド・ヘッド』は、脳内の感情や本能的な欲求がどのように人間の意思決定をガイドしているかを軽妙かつ緻密に表現した。喜怒哀楽といった感情の背景には、常に生命を守り抜こうとする本能的なプログラムが働いている。
近年、Netflixなどで配信される行動科学のドキュメンタリー番組が世界的なヒットを記録しているのも興味深い。私たちがなぜ暴飲暴食に走り、なぜ画面から目を離せなくなるのか。最新のカメラと実験データが捉える映像は、フィクション以上に恐ろしく、そして人間臭い欲望のリアルを映し出している。