トップボーカリストとして過密なスケジュールを走り抜けてきた過程で、ファンの間で長年関心を集めてきたのが「喉の調子」や歌い方の変化に関するトピックです。特に激しいダンスナンバーが続くドームツアー期には、ハイトーンの抜け感やかすれ声に対して様々な推察が飛び交いました。
この疑念に対し、今市隆二自身はメディアのロングインタビューや自著、レギュラーラジオ番組において、決して言い訳をすることなく真摯に自身の身体と向き合ってきた経緯を明かしています。デビュー当初の力強い地声主体のストロングスタイルから、解剖学に基づいたボイストレーニングへの転換、声帯への負担を軽減しつつ倍音を豊かに響かせる発声法へのシフトを決断したのです。
現場のライブ音響や近年の音源を分析すると、高音を張り上げるパワープレイから、息の混ざり具合(ブレスコントロール)を巧みに操るファルセットや、厚みのある豊かな中低音域の表現へと劇的な進化を遂げていることが分かります。喉のトラブルを単なる衰退で終わらせず、ボーカリストとしての技術的・表現的成熟へと昇華させた姿勢こそ、彼が本物のプロフェッショナルたる所以です。