一般読者の間で最も疑問に持たれやすいのが「芥川賞(芥川龍之介賞)と三島由紀夫賞の違い」です。どちらも純文学を対象とする最高峰の賞ですが、コンセプトと運用実態には明確なコントラストがあります。
芥川賞は日本文学振興会(文藝春秋)が主催し、主に「無名あるいは新人作家による短編・中編小説」を顕彰する登竜門としての色彩を強く持ちます。一方の三島由紀夫賞は、新人だけでなくすでに実績のある中堅作家が挑んだ実験的な長編小説も積極的に選考対象となります。
芥川賞が文壇への鮮烈な入場切符であるとすれば、三島賞は文壇の既成概念に殴り込みをかける挑戦者を称えるステージといえます。この棲み分けにより、芥川賞では拾い切れない破格のスケール感を持った怪作が三島賞で正当に評価されるケースが多々生まれています。