赤字のトンネルは抜けたのか。業界関係者の関心は、まさにその一点に集まっている。楽天グループ株式会社が推し進めてきた携帯事業は、顧客獲得コストの劇的な削減と、ARPU(1ユーザーあたりの平均売上)の上昇によって、ついに単月黒字化の背中を捉えた。その舞台裏には、外部からは見えにくい徹底的なオペレーション改革が存在する。
同社が世界に先駆けて構築した「楽天モバイル完全仮想化ネットワークプロジェクト」は、従来の通信キャリアが多大なコストをかけてきた専用ハードウェア依存からの完全な脱却を果たした。ソフトウェア主導でネットワークを制御するこのアプローチは、運用コストを劇的に引き下げ、障害発生時の復旧スピードをも爆発的に高めた。創業以来の危機と騒がれた時期にも、現場のエンジニア陣は絶え間ない改善を重ね、コスト構造そのものを劇的に軽量化させることに成功したのだ。