物語は、就職活動に苦戦する大学生・澤田拓人(三浦春馬)と本郷恵(多部未華子)の出会いから始まります。何事にも本気になれず、周囲に本音を言えずにいた拓人ですが、家具メーカーへの就職を機に恵と交際をスタートさせ、自らの足で歩み始めます。しかし、その矢先に左手の違和感から始まり、下された診断は不治の難病・ALSでした。
病の進行とともに、拓人は恵の将来を思い、理由を告げずに別れを切り出します。次第に歩行が困難になり、車椅子生活へ。職場の理解や友人たちの支えを受けながら、拓人は「今自分ができる仕事」に愚直に向き合い続けます。やがて真実を知った恵は、婚約者だった繁之との関係に終止符を打ち、再び拓人の隣で生きる覚悟を決めます。
物語の最大のクライマックスは、「人工呼吸器を装着するか否か」という究極の選択です。呼吸器をつければ声を失い、家族に多大な介護負担を強いることになる。一度は「死ぬのが怖いんじゃない、生きるのが怖いんだ」と絶望を吐露した拓人。しかし、家族や恵の無償の愛、そして自らの心と対峙した結果、拓人は「生きたい」とペンを握りしめて筆談で訴えます。
最終回では、大学の特別講義の壇上に立つ拓人の姿が描かれます。パソコンの視線入力装置を使って合成音声で学生たちに語りかける拓人。「目標を持てること、それ自体が幸せなのだと気づいた」――病気と共存しながら、一瞬一瞬を懸命に生きる彼の姿は、悲劇の終わりではなく、力強い「生の肯定」という感動的な結末を刻みつけました。
このエンディングを完璧に包み込んだのが、シンガーソングライター・Rihwaさんが歌う主題歌『春風』です。切なくも前を向くストリングスの旋律と温かな歌声は、ドラマの世界観と完璧にシンクロし、放送当時から現在に至るまで涙を誘う名曲として愛されています。