三浦侑子の器づくりは、溶融窯の中で約1,200度以上に加熱されたガラス素地を取り出す作業から始まる。時間との勝負であり、コンマ数秒の判断が生死を分ける高負荷な現場だ。
主に用いられるのは「型吹き(かたぶき)」と「宙吹き(ちゅうぶき)」というふたつの伝統的技法である。
- 型吹き技法: 木型や金型の中に息を吹き込み、器の基本外形を形成する。型のテクスチャーや微妙な圧力を調整することで、独特の陰影を持った輪郭を作り出す。
- 宙吹き技法: 型を使わず、竿の先につけたガラスを空気中で吹き伸ばしながら形を整える。風の流れや遠心力を利用するため、一律ではない伸びやかな曲線が得られる。
吹いた直後の作品はまだ半完成に過ぎない。冷めた後にサンドブラストや手作業による研磨を繰り返し施すことで、あの独特な絹肌のような質感が完成する。手間を惜しまない多層的な工程こそが、三浦工芸の核心である。