サニーレタスの水耕栽培において、培地として最も適しているのが食器洗い用などのウレタンスポンジです。繊維の密度が均一で保水性と通気性のバランスに優れ、雑菌の繁殖リスクが極めて低いためです。100均で販売されている研磨剤や不織布が付いていない「プレーンな台所用ウレタンスポンジ」を選び、2.5cm〜3cm四方のキューブ状にカットして使用します。
ウレタンスポンジ種まきと発芽のコツは、レタス特有の種子生理を正しく理解することにあります。サニーレタスの種子は「好光性種子(光を感じることで休眠を打破し発芽する種子)」です。したがって、スポンジの中央に十字の切れ込みを入れたら、種を深く押し込んではいけません。ピンセットを使って深さ2〜3mm程度の表面付近に浅く載せることが鉄則です。
また、サニーレタスの発芽適温は15℃〜20℃と冷涼な気候を好みます。夏場の室内など気温が25℃を超えると「熱休眠」に入り、発芽率が著しく低下します。春や秋以外の室温が高い時期に種まきを行う場合は、水を含ませたキッチンペーパーに種を包み、冷蔵庫の野菜室(約8〜10℃)に24〜48時間入れて低温刺激を与えてからスポンジに蒔くと、一斉に発芽を促すことができます。
発芽を確認した瞬間から、日照条件と換気対策の重要性が一段と跳ね上がります。サニーレタスは双葉が開いてから最初の数日間で環境が暗いと、あっという間に軸が伸びきって徒長します。発芽の兆候(白い根が出始めた段階)が見えたら、即座にレースカーテンのない明るい窓辺、もしくは植物育成ライトの直下に移動させなければなりません。
さらに、室内の無風環境は苗の軟弱化や灰色かび病の温床となります。自然界の植物は、適度な風に揺られることで植物ホルモン(エチレン)を分泌し、茎を太く短く保つ防御機構(接触形態形成)を備えています。室内に小型のUSBファンやサーキュレーターを設置し、「葉がかすかに揺れる程度の微風(風速0.3〜0.5m/s)」を24時間送り続けることで、組織が引き締まった強健な苗に育ち、蒸れによるカビの発生を完全に遮断できます。