観光業界でも地殻変動が起きている。かつて地方の温泉街や観光地は、2人以上のグループやカップル、ファミリー客を主要ターゲットに据えていた。しかし、一人旅を楽しむ層の急増を受け、自治体主導で「防犯・衛生・快適性」を包括的に評価する第三者認証制度が急速に普及している。
具体的には、最寄り駅から宿泊施設までの夜道灯の整備状況、防犯カメラの設置密度、緊急時の連絡体制、さらには一人客でも気兼ねなく食事ができる個室・半個室スペースの完備などが厳しく審査される。評価基準を満たした地域や施設には公式の認証マークが付与され、旅行予約サイト上での検索フィルターとして活用されている。
「以前は地方の静かな町に一人で泊まる際、夜間の治安や宿のセキュリティに一抹の不安があった。しかし認証マークがある宿を選べば、到着が遅くなってもトラブルに巻き込まれる心配がない」と、頻繁に一人旅をする40代のフリーランス女性は話す。観光地側にとっても、平日の稼働率を引き上げる強力な武器となっている。