世間一般でしばしば話題になるのが、「これほどの命懸けの挑戦に対する対価」です。完全制覇者に贈られる賞金は、創成期から基本的に一律200万円。アメリカ版『American Ninja Warrior』の優勝賞金が100万ドル(約1億5,000万円)規模に達するのと比較すると、日本のSASUKEは経済的リターンが極めて低いと言わざるを得ません。
それにもかかわらず、なぜ彼らは私財を投げ打ってまで緑山に通い詰めるのでしょうか。取材を通じて浮かび上がるのは、金銭では測れない「自己超越の美学」です。
多くの有力選手は、自宅の庭やガレージに数百万円の私費を投じて本番そっくりのセットを自作しています。木材の購入、溶接、メンテナンスにかかる費用を合算すれば、200万円の賞金など優に吹き飛んでしまいます。彼らを突き動かしているのは、TBSのセットを攻略したという純粋な達成感と、同じ志を持つ戦友たちとの強固な絆に他なりません。