渋谷謙人の演技力を語る上で欠かせないのが、テレビ朝日系の看板刑事ドラマ『相棒』シリーズへの出演です。同シリーズにはゲストとして複数回登場しており、それぞれ全く異なる境遇の人物を完璧に演じ分けています。特に、表面上は礼儀正しく振る舞いながら裏で冷徹な計算を働かせる犯人役や、社会の片隅で追い詰められていく青年の演技は、視聴者の間でも「神回」と評される語り草となっています。
彼の演技における最大の特徴は、「視線」と「沈黙の間」による感情表現にあります。大声で怒鳴ったり過剰に泣き叫んだりすることなく、口角のわずかな歪みや瞳の揺らぎだけで、登場人物の底知れない闇や悲哀を表現してみせるのです。この繊細なアプローチは、映画『クローズEXPLODE』や『東京リベンジャーズ』シリーズといった骨太なアクション・群像劇から、重厚なNHK大河ドラマまで幅広く活かされています。
映画監督やプロデューサーへの取材記事でも「渋谷謙人がフレームに入るだけで、そのシーン全体の緊張度が格段に増す」と評されており、主役を引き立てながらも物語のフックとして観客の記憶に強く刻み込まれる存在となっています。