店名が示す通り、この空間の真骨頂は屋根裏部屋特有の心地よい閉塞感にある。やや低めの天井、ギシギシと微かに鳴るウッドフロア、そしてあえて光量を落としたアンバーカラーの照明。外界の強烈な光に疲弊した人々が、磁石のように吸い寄せられる理由は明白だ。
ひとりで訪れてカウンターで生ハムをつまむ常連。静かにグラスを傾けながら語り合うクリエイターたち。席ごとの絶妙な距離感と、厨房から響くカトラリーの音が、個々のプライベートな会話を優しく保護する。誰の視線も気にせず、ただ目の前のご馳走に没頭できる都市のシェルター。私たちが求めていたのは、肩書きを脱ぎ捨てて素に戻れる場所だった。