公園や庭先で見かけるセミの幼虫ですが、実は外見や地表に残された穴を細かく観察することで、成虫になる前でも種類を特定できます。特に都市部で遭遇頻度が高いアブラゼミとクマゼミには明確な違いが存在します。
アブラゼミの幼虫の特徴は、全体的に赤褐色を帯びたマットな質感で、体表に細かな毛が生えている点です。触角を見ると、第3節が第2節よりも明らかに太く長いという特徴があります。対してクマゼミの幼虫との違いは、一回り大きく、殻の表面に光沢があり、オリーブがかった飴色をしている点です。触角は全体的にスッと均一に伸びており、前足の鎌(掘削用の爪)がより頑丈に発達しています。
また、泥をまとった泥だらけの小型幼虫がいれば、それはほぼ間違いなくニイニイゼミです。ニイニイゼミの幼虫は体から粘液を出し、意図的に泥を付着させて外敵から身を隠しています。
幼虫が這い出た後に残る「セミの穴の見分け方」にもコツがあります。セミの脱出穴は直径1.5〜2.5cm程度の綺麗な円形で、周囲に掘り出した土が盛り上がっていないのが最大の特徴です。アリやミミズの穴は周囲に粒状の排土が見られますが、セミの幼虫は体液と泥をこねて穴の内壁を塗り固めながら登ってくるため、掘りカスを地表に出しません。この構造の違いを知っていれば、足元を見るだけでセミが潜んでいた痕跡を確実に見分けられます。